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第6回 コラム(2017/10/23)

【保険代理店における今後のシステムについて】
今回は損害保険を販売している「保険代理店」について、今までの保険業界の動向を踏まえ、今後どのようなシステムが必要になってくるか、考えたいと思います。

損害保険における日本の収入保険料は12兆円で、世界でベスト5にはいっているといわれており、保険料は減少傾向とは言え、まだまだ大きな市場です。20年前に「金融の自由化」という大きな波がやってきました。損害保険の会社数は、統廃合によって3分の2になりました。損害保険の商品数は、いろいろな商品が発売され、約3倍(当社の保険システムで管理する保険種類コードの件数が100→300)に増えました。そして、保険の販売方法については損保直販、ネット販売、窓口販売が可能になりました。

収入保険料全体では増加していますが、自由化という厳しい競争によって、廃業・買収・集約化が進み、保険代理店の数は3分の1にまで減ってしまったという状況です。更に、2016年5月に保険業法の改定によって、保険代理店へのチェックは一層厳しくなり、社内体制の強化が必要になっています。

保険の販売方法は多様化しました。欧米で一般的な保険会社と中立的立場のブローカー制度が導入されましたが、日本では定着しておりません。代理店経由の販売は、全体の9割を占めているといわれています。保険の相談から、万が一の時に親切丁寧に対応してもらえる100年以上続いている代理店制度は、日本では引き続き重要な役割を担っており、期待されていると思います。

当社では保険代理店から多くの要望があり、保険代理店システムで新たなサービスを提供します。
①売上管理
 当月の代理店手数料は翌月末の精算で確定しますが、翌月初には把握したいという声を以前から
 聞いていました。しかし代理店手数料の算出方法は複雑で、対応ができておりませんでした。
 当社では契約ベースで代理店手数料を算出するパッケージを開発しました。月初に手数料を把握
 できる、今まで手数料精査は不十分であったが、勘定書と突合せによって精査できるようになっ
 たと、高く評価されています。
②契約者の意向確認
 業法改定で契約者への説明責任が一層強化されています。
 当社ではクエステトラ社BPMSuiteというワークフローサービスを利用して、保険代理店
 の新規や更改契約の手続きをチェックするテンプレートを提供しています。無償で評価可能に
 つき、十分に検証いただいてから導入することができます。
③事業報告書の作成
 「所属保険会社が15社以上」または「所属保険会社が2社以上かつ手数料・報酬の合計が10億円
 以上」の保険代理店では、2017年度より事業報告書の提出が義務付けられています。手数料に
 関しては十分なノウハウがありますので、ご要望頂いた代理店向けに対応を進めています。

最後に、保険代理店の今後のシステムについて述べさせていただきます。
①基幹システムの活用
 損保提供の保険代理店業務システムを最大限利用するのがよいと思います。
 ダウンロードしたデータやシステム連携によって、比較的簡単に独自システムを構築できます。
 どうしてもマッチしない場合は、サードベンダーが提供するシステムをご検討ください。
②保険業法への対応
 保険業法は定期的に改定されると聞いています。「保険代理店」に対する法律ですので、損保提供
 システムに頼らずに独自システムを検討されるほうがいいと思います。当社では、業法改定に関
 するシステムを提供していく予定です。
③モバイル対応
 損保が提供する保険料試算や基幹システムのモバイル対応は浸透し、代理店で利用されています。
 今後は代理店の自社システムをモバイルで社外利用することになると思います。使い慣れたシス
 テムを作り直すにはコストがかかります。当社ではシンクライアントなどのインフラ技術を利用
 し、社外で利用できる提案を進めていきたいと考えています。
④事務作業の合理化
 契約書や申込書への入力作業、電子データのコピー&貼り付けといった簡単な作業は、ソフト
 ウェアロボット「RPA」によって、事務効率化が図れます。当社ではRPAの技術を積極的に
 進めております。
⑤システム全般

前述の通り、代理店経由の保険販売はまだまだ高い比率が続くと考えています。そのために、当社は今までも多くのシステムを提供していますが、一層代理店と契約者の信頼関係が築けるように、情報量の充実と正確性、システムの高品質化と安定運用に注力してまいります。当社では保険代理店様の問題や要望について、引き続きしっかりと解決していきます。気になる点があれば、遠慮なくご相談ください。

文責:天井 誠一

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